poem



    
      2007 in september
                                                

 振り向きざまに




 とても暑い日々がつづいた
 体力気力も随分と消耗したな と思うと
 追い立てるように夏は去ってゆく

 また 大好きな季節は何事も無く去ってゆく
 刺激を求めて熱さをどれだけ追いかけても 
 ページをめくるだけの薄っぺらな記憶しか残らない
 やはり そんな夏だった

 追いかけた太陽も角度を落とし
 僕は落ちてくる汗を拭きながら海を見ている

 
 振り向きざまに僕を見ていた
 
 
 笑うことも無く表情も変えず見ていた
 それが最後と感ずいたんだろうか




 
 



 話すことなんて何も無く
 考える物事も何も無く
  したい事さえ何も無い
 
 この脱力感は夏の終わりのせいだろうか
 10年のひと区切りもあっと言うまに過ぎ
 足跡が消えている
 角がとれてく自分も嫌いになって
 何をして生きているのかよくわからない
 
 道はあるのになぜ進まない
 壁だ 分厚い壁
 
 壁 壁
 




 一輪車の頃 



 一輪車が道の脇の塀に停めてあった
 あの夏
 朝から晩まで乗ってたっけ
  
 ぼんやりと浮かぶあの頃
 ああ 麦わら帽子とせみの声
 ぼんやりと浮かぶ

 いっしよに過ごした夏
 もう僕と過ごした時間のほうが短くなった
 九月の暑さの中思い出にふけるよ

 一番大切な時間なんだあの頃は



 ポケット




 愛することってどう表現すればいいんだろう
 どう言葉を使ってもどう体を使っても
 出来たと思うことが無い
 逢いたい 抱きしめたい
 思いだけが先走る

 きっと君もつらいだろ
 逢いたいときに逢えないのはつらいさ
 どんどんと変わって行く全てが
 時というのは残酷だ
 今でさえも過ぎてしまえばもう取り返しがきかない

 もう一度戻りたいよ
    



 夏のリンク





 思い出は九月
 夏服の君がいた
 遠くから僕を呼んでいた
 走り出す君を思い出す

 誰も愛さなければ傷つくこともないだろうに
 ただ 抱きしめたい思いを抑えられなくて
 別れがくることはわかっていたのに
 とうとう写真だけの中になってしまった

 暑かった夏は過ぎ
 毎年その夏とリンクするのは
 海と君だ






今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
僕は夏が大好きでそれも暑ければ暑いほど好きだったりします。
また、青春時代とか楽しい思い出などが特に多いのです。
そして毎年九月に入ると夏を惜しみ思い出にふけることもたんびたんびです。
文中の相手は女性ではありません。

2007年9月  yamato@若旦那   拝

poem1
 振り向きざまに


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poem3
 一輪車の頃


poem4
  ポケット


poem5
 夏のリンク



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